「任意整理」に関するQ&A
任意整理をすると「人生終わり」だと聞いたのですが、本当ですか?
1 任意整理をすると事実上の制限は発生します
任意整理をしても、その後の生きていくことが不可能になるということは通常あり得ません。
任意整理をしても、個人再生や自己破産とは異なり、官報に掲載されるということはありません。
そのため、広く一般的に任意整理をしたという事実が知られる可能性は低いと言えます。
一方で、まったく不利益がないというわけでもありません。
任意整理をすると、信用情報には事故情報が登録され、かつ任意整理の対象となった貸金業者の内部情報に履歴が残ります。
これによる事実上の制限は発生します。
以下、任意整理と事故情報等との関係、および事故情報等が及ぼす影響について説明します。
2 任意整理と事故情報等との関係
弁護士に任意整理を依頼すると、まず弁護士が任意整理の対象となった貸金業者等に対し、受任通知という書類を送付します。
信用情報機関が管理している信用情報には、受任通知が貸金業者等に届いたタイミングか、受任通知から一定期間経過後に事故情報が登録されます。
一度登録された事故情報は、最長で任意整理後完済してから5年間程度は残るとされています。
また、任整整理の対象となった貸金業者においては、信用情報とは別に独自に任意整理をした履歴を記録していると考えられます。
この履歴は、信用情報とは異なり、半永久的に保管される可能性もあります。
3 事故情報等が及ぼす影響
新たな借入れの申込みや、クレジットカードの作成の申込みの場面において、貸金業者やクレジットカード会社は、審査のために申込みをした人の信用情報を確認します。
信用情報に事故情報が登録されていることが判明した場合、一般的には審査が通らないことになります。
事故情報が抹消された後であれば、再度審査が通るようになると考えられます。
もっとも、任意整理の対象となった貸金業者やクレジットカード会社の場合には、事故情報抹消後も審査が通らない可能性があります。
借入れやクレジットカードの作成の申込みがあった際、取引履歴を参照し、かつて任意整理をしたことを確認できるためです。
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