「個人再生」に関するお役立ち情報
個人再生の履行テストとはなにか
1 個人再生の履行テストの位置づけ
履行テストは、裁判所に個人再生の申立てをした後、再生計画案認可までに行われる手続きのひとつであり、申立人の方が再生計画案どおりに返済できるかどうかを確認することを目的として行われます。
裁判所に個人再生を申し立てると、正確な債務額や申立人の財産(清算価値)の調査と評価、再生計画案の作成等、再生計画が認可されるまでに様々な手続きが行われます。
履行テストは、債務総額や清算価値をもとに、再生計画における毎月の返済想定額を算定し、その金額を申立代理人弁護士や再生委員の口座に毎月振り込むという形で行われます。
以下、履行テストの詳細について説明します。
2 履行テストが行われるまでの流れ
裁判所に対して個人再生の申立てを行うと、まず裁判所による書類審査や質問等がなされます。
申立代理人の有無や、申立人の状況によっては、裁判所が個人再生委員を選任することがあります。
なお、銀座を含む東京23区内に居住されている方の場合、東京地裁本庁で申し立てることになりますが、東京地裁本庁では全件において個人再生委員が選任されます。
参考リンク:裁判所・個人再生を申し立てた後の手続の流れは、どのようになりますか。
再生委員が選任された場合、面談が行われることになりますが、それについてはこちらをご覧ください。
書類の審査等が終わり、再生手続の開始決定がなされると、正確な債務額の調査と、申立人の財産の評価額(清算価値)の調査がなされ、履行テストが開始されます。
履行テストにおいては、再生計画認可後において1月あたりに返済することになると想定される金額を、申立代理人の預り口口座や、再生委員が指定した口座に、毎月支払います。
3 履行テストのために振り込みを行う期間
履行テストがどのくらいの期間実施されるかは、裁判所によってもある程度異なります。
一般的には、3か月から6か月間程度と考えられます。
4 履行テストで振り込んだ金銭はどうなるのか
履行テストが完了した場合、振り込んだ金銭は原則としては返還されます。
履行テストの振込先が、個人再生委員であった場合には、個人再生委員の報酬(一般的には15万円程度)を控除した残額が返還されます。
5 振り込みができないとどうなるのか
履行テストは、再生計画のとおりに返済できるかどうかを確かめるための手続きです。
もし振り込みができなくなってしまうと、再生計画が認可されず、場合によっては自己破産を検討しなければならなくなります。
所有している財産と個人再生の返済額 個人再生での再生委員との面談